〈きく(4)〉
「きく(4)」
(奥村一郎『祈り』(pp65-66) )
わたしたちの心のなか,頭のなかにはあまりにも多くの声がする。自分自身の欲望やごうまん,他人に対する批判や非難などのために,神のことばが隠されているはずの日常のできごとを反芻することも,消化することもできず,それにどろを塗りたくったり,毒を入れたりして,まったく食べられないものにしてしまうのが人間の常である。さらには,まことしやかな自己弁護の声が強い盾のようになって神の声をきこえなくし,いつのまにか自分自身の耳が悪くなっていることさえきづかないでいる。
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